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セイヨウタンポポ

アイノコタンポポ

【生態等】

※分類は「APGⅢ植物分類体系」と(Engler科名)

  • 被子植物、真正双子葉類、キキョウ類、キク目、キク科(キク科)の多年草。
  • 道ばた、空き地、牧草地、川岸などに生える。
  • 高さは10~20cm。太い直根がある。
  • 葉は、ロゼット状(全て根元から放射状)に出て、不規則に羽状に裂ける。
  • 花期は3~10月。葉の間から花茎を出し、直径35~50mmの鮮黄色の頭状花(柄の無い花が集まったもの)をつける。受粉しなくても結実できる。実は長さ2.5~4mm、灰褐色~茶褐色で白色の冠毛をもつ。
  • ヨーロッパ原産の帰化植物。ほぼ全国に分布。
  • 食用に栽培していたものが野生化したといわれている。

【参考文献等】

増補改訂フィールドベスト図鑑 Vol.1~3 日本の野草(発行所:(株)学習研究社)
侵入生物データベース(独立行政法人 国立環境研究所)

【投稿者解説】

(セイヨウタンポポ)
ヨーロッパから入ってきた帰化植物。頭花を外側から押さえている総苞片が反り返るのが特徴。カントウタンポポに比べると花は小さく、花(花弁状のものが一つの花)の数は約200ほどあるが、それだけで個々の区別はできない。夏も葉が残り、開花するものもある。市街地で見られるセイヨウタンポポの多くはカントウタンポポとの雑種だという研究もある。西洋では葉を食用にしている。

(アイノコセイヨウタンポポ)
町田の町中で見られるタンポポには総苞を見てもカントウタンポポともセイヨウタンポポとも判断のつきにくいものが多数ある。セイヨウタンポポのほとんどはカントウタンポポとの雑種だという研究がある。顕微鏡で調べると雑種は花粉の形や大きさが一定していないことで区別できる。タンポポの仲間は地域・標高により多くの種類があり、24種が知られている。この他いくつかの亜種・変種・品種があり、分類上の位置については諸説がある。町田で観察できるタンポポとして、アカミノタンポポの花はセイヨウタンポポと見分けがつかないが、種子が赤みを帯びているのが特徴である。西日本では普通に見られるシロバナタンポポもところどころで生えている。カントウタンポポの白花品もあるのでやっかいである。

(解説者:yo.TANAKA)

(主な参考文献)
神奈川県植物誌2001 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県立生命の星・地球博物館
植物の世界(週刊朝日百科) 岩槻/大場他監修 朝日新聞社
牧野新日本植物図鑑 牧野富太郎 北隆館
日本維管束植物目録 米倉浩司著 北隆館

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